昨今、災害は今まで少なかった地域でも発生頻度が高まっており、日本国民の誰しもが他人事ではない問題となりつつあります。そのため、災害時の備えは日常生活からしっかりと整えておくことが重要です。この記事では、災害時に備えるべきことから持ち出すべきアイテムなどについて解説します。
●災害時に備えるべき5つのこと
近年、地震や大雨など災害が多発しています。万が一、被災したときに慌てないためには常日頃から備えておくことがとても大切なことだといえるでしょう。ここでは、首相官邸が発表している情報をもとに以下の5点について詳しく解説します。
・家具の置き方
・食料や飲料などの備蓄
・非常用持ち出しバッグの準備
・家族同士の安否確認方法
・避難場所や避難経路の確認
事前にポイントを押さえて、被災したときに備えましょう。
参考:災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~ | 首相官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
1.家具の置き方
阪神・淡路大震災などでは、たくさんの人が倒れた家具の下敷きになって大怪我をしたり、命を落としたりしました。
大地震が発生した場合、家具は必ず倒れてくるものだと考えて、普段から転倒防止対策を施しておくことが大切です。家具の置き方について意識したいことには、以下のような点が挙げられます。
・家具は壁に固定する
・寝室や子ども部屋はなるべく家具を置かない
・出入り口を塞がないような配置
・背の低い家具を使う
・寝室には懐中電灯やスリッパを備える
2.食料や飲料などの備蓄
大地震が発生した際、電気やガス、水道などのライフラインが止まることを想定しておく必要があります。ライフライン復旧までの間を凌げるように、常日頃から飲料水や保存の効く食料を備蓄しておきましょう。
特別なものを備蓄するのではなく、可能な限り日常生活の中で利用している食品を備えておくことをおすすめします。災害時に備えておきたい備蓄量の例は、以下の通りです。
・飲料水:3日分(1人1日3リットルが目安)
・非常食:3日分(ご飯、ビスケット、板チョコなど)
・生活用品:3日分(トイレットペーパー、カセットコンロなど)
※上記は1人分
また、大規模災害を見越した備えとしては、1週間分の備蓄が推奨されています。さらに、水に関しての備蓄は、飲料水と別に生活用水が必要です。そのため、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水を張っておくなど備えておきましょう。
3.非常用持ち出しバッグの準備
自宅が被災して生活を送れない状態となった場合は、学校の体育館や地域の集会所などの安全な場所で避難生活することになります。
そのような状況に備えて、非常時に持ち出すものをあらかじめリュックサックなどに詰めておき、すぐに持ち運べるようにしておきましょう。主に入れておくものとしては、水や食料、衣服、貴重品などが挙げられます。
4.家族同士の安否確認方法
家族が同じ場所にいるときに災害が起こるとは限りません。仕事や学校に行っている最中に被災した場合、お互いの安否を確認できるように備えておくことも重要です。
特に、災害発生直後は携帯電話がつながりにくいため、いつもと違う手段で安否を確認する・集合場所を決めておくようにしましょう。災害時に覚えておきたいサービスには、以下のようなものが挙げられます。
・災害用伝言ダイヤル:局番なしの「171」に電話をかけると伝言を録音できる。自分の電話番号を知っている人が伝言を再生可能
・災害用伝言板:携帯電話などからインターネットを介して文字情報を登録できる。自分の電話番号を知っている人が情報を閲覧可能
5.避難場所や避難経路の確認
災害が発生したときに落ち着いて避難するには、普段から避難場所や避難経路をチェックしておきましょう。自治体のホームページなどから「防災マップ」や「ハザードマップ」を手に入れて、地域の避難場所や安全な避難経路を家族で共有しておくことをおすすめします。
注意点としては、豪雨、津波、火山噴火など、災害の種類によって安全な避難場所・経路が異なるため、それぞれの状況をイメージしていくつかのパターンを想定しておきましょう。
●災害時に持ち出すべき10のアイテム
災害時に持ち出すべきアイテムには、以下の10点が挙げられます。
・3日分の飲料水
・3日分の食料
・衛生用品や生理用品
・貴重品
・医薬品
・照明器具
・情報収集ツール
・気候に合った用品
・個人や家族に必要なもの
・小物類
ここではそれぞれのアイテムを備えておく理由や、目安となる量などを解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.3日分の飲料水
災害時の備えとして欠かせないものの筆頭に挙げられるのは「水」です。水は人間が生きるために欠かせないものといえますので、必ず備えておきましょう。
1日に必要な飲料水の目安量は成人で約3リットルとされているため、自宅には「3リットル×3日分(家族の人数分)」の飲料水を備蓄してください。また、保存期間についてもこまめに確認し、消費期限が過ぎる前に買い直すことも必要です。
室内への備蓄以外にも、非常用持ち出し袋の中にも飲料水を入れておくことをおすすめします。この場合、衛生面や飲みやすさなどを重視して、500ミリペットボトル4本を小分けにして準備しておくとよいでしょう。
2.3日分の食料
災害時にはガスや電気、水道といったライフラインが停止するおそれが高まります。その場合に備えて、調理する必要がないレトルト食品や缶詰、お菓子などの食料品を備蓄しておきましょう。
こちらについても飲料水と同様に「家族の人数×3日分」を準備してください。避難所などで配給がある場合は、おにぎりやパンなどの炭水化物を摂取できる食品をもらえることが多いようです。
そのため、避難所へ持ち出す非常用持ち出し袋の中へ、野菜や肉・魚の缶詰など、タンパク質やビタミン類、食物繊維を補えるものを準備しておくようにしましょう。
3.衛生用品や生理用品
避難生活においてもできる限り健康を維持するには、衛生を保つことが重要です。準備しておくものとしては、トイレットペーパーやアルコールジェル、歯磨きセット、タオル、ウェットティッシュなどを備えておきましょう。
また、女性の場合は1~2日分の生理用品を忘れずに準備しておくと安心です。さらに、小さな子どもがいる家庭は、おむつやおしり拭き、消臭袋もまとめておくようにしましょう。
4.貴重品
身の回りの貴重品は、可能な限り持ち出したくなりますが、避難所での生活に必要なものに絞って持ち出すようにしましょう。必要最低限の度合いは人によって異なりますが、以下のものを準備しておくと安心です。
・現金:公衆電話を使うために小銭も準備する
・身分証明書:健康保険証のコピーなど
・印鑑:公的機関の手続きで必要となる
・母子手帳:子どもがいる場合
・金融機関情報:銀行口座や保険に関することを控えておく
5.医薬品
災害発生時には、ケガやストレスから体調不良に見舞われることも考えられます。その事態に備えて、応急手当ができる救急セットを準備しておきましょう。
また、持病がある人は、常備薬やお薬手帳を手に取りやすい場所へ置いておくことも重要です。ほかにも、生理痛や頭痛がある人は痛み止め、ストレスが胃腸に影響を及ぼす人は胃腸薬や整腸剤などを準備しておきましょう。
6.照明器具
夜間に被災して暗い道を避難する場合や、ライフラインが止まってしまうことを想定して、ヘッドライトや持ちやすいハンディライトを準備しておくことも大切です。
また、避難生活で明かりをとるためのランタンも備えておくことをおすすめします。これらの照明器具は電池やバッテリーが欠かせないため、予備の電池やモバイルバッテリーも一緒に非常用持ち出し袋へ入れておきましょう。
7.情報収集ツール
災害時にはテレビやインターネットなど、普段使い慣れている情報源にアクセスすることは非常に困難です。避難生活に必要な情報を得るためにも、ラジオなどの情報収集ツールを備えておきましょう。
ラジオを選ぶ場合、AM・FM放送の両方を聴取できるものをおすすめします。また、電池が切れてしまったときに備えて、手回し式やソーラー充電に対応しているものを選ぶとよいでしょう。
8.気候に合った用品
非常用持ち出し袋は定期的に入れているものを見直し、気候に合った用品を入れ替えることが大切です。季節に応じて備えておきたいものには、以下のようなものが挙げられます。
・夏:虫除けスプレー、日焼け止め、汗拭きシート
・冬:防寒具、厚手の靴下、カイロ
・梅雨など:レインコート、折り畳み傘
これらと合わせて、衣服の準備も見直すようにすると安心です。
9.個人や家族に必要なもの
ここまでに紹介したグッズは、多くの人が備えておくべきものです。これらに加えて、個人や家族構成に応じて必要なものを備えておくことが重要です。
たとえば、赤ちゃんがいる家庭では、抱っこひもや缶ミルク・哺乳瓶をまとめておきましょう。また、犬や猫などのペットと避難する場合に備えて、餌やトイレシート、ペットキャリアを準備してください。
10.小物類
非常用持ち出し袋のゆとりがあるスペースに小物類を入れておくと、役立つことがあります。非常用持ち出し袋に入れておくことをおすすめする小物類は以下の通りです。
・筆記用具
・耳栓
・ビニール袋
・ライター
・手袋
・モバイルバッテリー
・災害用ホイッスル
これらの小物類はサイドポケットなどにまとめておくと、いざというときに取り出しやすく、便利に使えるでしょう。
●災害時にあると助かる5つのアイテム
災害時にあると助かるアイテムには、以下の5つが挙げられます。
・小型テント
・現金
・保険証のコピー
・災害用調理器具
・ダンボール
ここでは備えておくと役立つ理由などについて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.小型テント
災害が発生しても、ペットがいたり、避難所へ行くのが困難である場合が考えられます。その際、自宅や安全な場所にテントを設営して生活せざるを得ないこともあり得るでしょう。
特に、人口が集中している都市部においては、避難所のキャパシティを超えてしまうおそれも考えられます。そんな場合に、小型テントがあると非常に役立つでしょう。
普段、アウトドアを趣味としていない人でも、1万円程度のワンタッチテントを備えておくと、雨風を凌ぐスペースを確保できます。また、自宅避難する場合でも、プライバシーを確保したり居住スペースを分けたりと役立つため、1張準備しておくことがおすすめです。
2.現金
現金は1週間分を目安に備えておくことをおすすめします。現在では、キャッシュレス化が進んでおり、クレジットカードやスマートフォンで支払いをすることが多いでしょう。
しかし、災害発生時はライフラインが止まってしまい金融機関のATMを始め、一般的な決済機能が利用できないおそれがあります。そのような事態に備えて、1週間分の生活費を現金として持っておくことが大切です。
財布に現金を入れておく以外にも、高額紙幣だけではなく、千円札や小銭を用意しておくようにしましょう。
3.保険証のコピー
保険証など、身分を証明できるものをコピーしておくことも重要です。家から避難しなければいけない場合、最低限のものしか持ち出せないことが考えられます。
紙にコピーしておくか、スマートフォンに撮影してフォルダの中にまとめておくとよいでしょう。また、持病がある人はお薬手帳や連絡が取れる家族の電話番号を併せて保管しておくと安心です。
4.災害用調理器具
災害時には、普段使い慣れているガスやIHコンロが使えないことがほとんどです。そのため、以下のような災害用調理器具をそろえておくことをおすすめします。
・カセットコンロ
・カセットガス
・煮炊きするための鍋
・サイズ違いのポリ袋
・ラップフィルム
・アルミホイル
・クッキングシート
・除菌スプレー
・使い捨て手袋
・保冷バッグ
・使い捨ての食器・カトラリー
避難生活では、ライフラインが使えないことを想定して、洗い物が出ないものや単独で火を使えるアイテムを準備しておきましょう。
5.ダンボール
ダンボールがあると、簡易ベッドや間仕切り、更衣室などとして使えます。実際にJパックス株式会社が発売しているダンボールベッドは、東日本大震災が発生した直後に設計され、被災地へ供給されました。
また、避難生活では知らない人と隣り合わせの生活を余儀なくされます。そんなときでも周囲からの視線を遮り、プライバシーを確保することが可能です。これらのように、ダンボールはあると役立つアイテムだといえます。
●まとめ
災害時に備えておくべきことや、持ち出すアイテムなどに関して解説しました。災害時に少しでもストレスを減らすには、日頃の備えが欠かせません。人間が生きるのに必要な飲料水や食料品、衣服などを万が一に備えて準備しておきましょう。
また、飲料水の備蓄に関しては、空気から水を生成できる次世代のウォーターサーバー「エアリス」を普段から使うことをおすすめします。
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