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2023-05-10

【コラム】防災グッズとして利用する水でチェックすべき10のポイント|備蓄方法も紹介します

引用:首相官邸災害の「備え」チェックリスト https://www.kantei.go.jp/jp/content/000111250.pdf

災害大国日本では、日常から防災グッズを備えている人もたくさんいることでしょう。しかし、水の備蓄方法について正しい理解を持っている人はそう多くないかもしれません。この記事では、防災の観点から飲料水や生活用水を保管するときにチェックしておきたいポイントを解説します。

●防災グッズで一番大事なのは「水」
この数年、テレビなどで災害を目にする機会が増えました。そのため、防災グッズを用意している方も増えているでしょう。もしものときに備えるには、そろえるアイテムを見極めながら備蓄する必要があります。

また、災害備蓄の中でも欠かせないものには「水」が挙げられます。1日に必要な水の量や保管方法について解説しますので、日頃から万全の備えを整えておきましょう。

●【年齢別】水の摂取量の目安
人が1日に必要な水の摂取量は、年齢ごとに大きく異なります。ここでは以下の3つのパターンに分けて目安となる摂取量をご紹介します。

・子どもの摂取量目安
・成人の摂取量目安
・高齢者の摂取量目安

家族構成によって備蓄しておくべき水の量は変わります。世帯の摂取量目安を理解しておき、必要な分だけ水を備蓄しておくことが重要です。

●子どもの摂取量目安
子どもの摂取量の目安は、時期と体重によって左右されます。それぞれに分けて解説すると以下の通りです。

【子どもの摂取目安量(体重1kgあたり)】

乳幼児:150ml
幼児:100ml
小学生:80ml

例を挙げると、体重が9kgの赤ちゃんの場合、1日に約1.3Lの水が必要だとわかります。しかし、乳幼児の場合は授乳する必要があるため、災害時には湯冷ましを作ることが難しくなるおそれも考えられるでしょう。

水と併せて、缶やパックなどに詰められた「液体ミルク」を備蓄しておくことが重要です。幼児期以降は「体重×目安量」を計算し、必要な分量を備えるようにしてみてください。

●成人の摂取量目安
成人の摂取量目安は、体重1kgあたり50mlの水が必要です。たとえば、体重60kgの人であれば3Lの水を備蓄しておけばいいとわかります。

これは、農林水産省が「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」でも示されている一般的な備蓄量ともいえるため、水を備蓄するときの基準として覚えておくとよいでしょう。

参考:災害時に備えた食品ストックガイド:農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/guidebook.html

●高齢者の摂取量目安
高齢者の摂取量の目安は、体重1kgあたり40mlとされています。加齢に伴い体内に蓄えられる水が減少するため、成人よりも必要量が少なく見積もられています。

高齢者は喉の渇きを覚えにくい傾向にあるとされ、災害時には脱水症状に陥るおそれが高まるでしょう。その対策としてこまめな水分補給を促すことも重要です。また、持病がある場合は薬を飲む水も考慮しておくようにしましょう。

●防災に役立つ飲料水の備蓄方法は4つ
防災に役立つ飲料水の備蓄方法には、以下の4つが挙げられます。

・ローリングストック法で備蓄する
・防災用ウォータータンクで備蓄する
・ペットボトルで備蓄する
・ウォーターサーバーで備蓄する

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.ローリングストック法で備蓄する
ローリングストックは災害時に備え、日常的に水や食料を多めに買い置きして備蓄する方法です。毎日消費した量に応じて買い置きを欠かさないようにすることが、ローリングストックのポイントだといえるでしょう。

また、消費期限をチェックして古いものから消費することが重要です。こうすることで賞味期限切れのリスクをなくし、一定の備蓄量を維持します。水のローリングストックにおいても、消費期限を確認しながら管理するように心がけましょう。

2.防災用ウォータータンクで備蓄する
防災用ウォータータンクは、たくさんの水を備蓄できることが大きなメリットです。

しかし、保管スペースに限りがあるマンションなどに住んでいる場合は、コンパクトに収納できるソフトタイプを準備しておくとよいでしょう。つまり、ウォータータンクで水を備蓄する場合、保管スペースの有無や水の量に応じてサイズを選ぶことが重要です。

また、ウォータータンクで水を備蓄する際、水の入れ換えだけではなくタンク自体が劣化していないか定期的に点検しましょう。災害発生時に問題なく使えるように、点検やメンテナンスを心がけることが大切です。

3.ペットボトルで備蓄する
ペットボトルでの備蓄は、箱やボトルごとに小分けして常温保存できる・賞味期限がわかりやすいことがメリットです。また、ボトル容量が500mlや2Lなどわかりやすいことも特徴といえます。

注意点としては、一度開封してしまうと早めに使い切らなければならない点が挙げられるでしょう。フタを開けなければ年単位で保存できますが、開封後は早めに使い切らなければカビや雑菌が繁殖してしまうおそれがあります。

4.ウォーターサーバーで備蓄する
ウォーターサーバーを使っている家庭では、ストックボトルを余分に持っておくことが水の備蓄につながります。定期的に水が自宅に届くため、余分に購入する手間もありません。

また、被災時にも電気さえがあればお湯を使うことも可能です。ウォーターサーバーがあれば災害に備えながら、日常生活を快適にしてくれるでしょう。

しかし、ほかの備蓄方法よりもコストがかかる点に注意が必要です。水代やサーバーのレンタル料、電気代などがかかります。さらに、ウォーターサーバー設置スペースとストックボトルを保管する場所がそれぞれ必要です。

●防災に役立つ生活用水の備蓄方法は3つ
防災に役立つ生活用水の備蓄方法には、以下の3つが挙げられます。

・お風呂の浴槽に備蓄する
・エコキュートで備蓄する
・車中に水を備蓄する

水の備蓄は飲料水に限りません。手洗いやトイレを流すなど、私たちの生活を衛生的に保つにはたくさんの生活用水を確保する必要があります。ここではそれぞれに分けて生活用水の備蓄方法を解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.お風呂の浴槽に備蓄する
お風呂の浴槽は、住宅で最もたくさんの水を備蓄できる場所です。お風呂を沸かす前に前日の残り湯を捨てるようにすると、常時200L程度の生活用水を備蓄していることと同じ意味があります。

衛生的に心配と思う場合は、台風が近づいているときなど、被災リスクが高い状況のみ生活用水を備蓄するのも一つの手段です。浴槽に水を備蓄するときに注意したいことは、フタを必ず閉めておくようにしましょう。

フタをしなければ、水が劣化しやすくなりますし、地震発生時には、流れ出てしまうことの原因となります。このようなリスクを下げるために、浴槽に水を備蓄するときは必ずフタを閉めるようにしてみてください。

2.エコキュートで備蓄する
「エコキュート」は、空気の熱でお湯を沸かすヒートポンプ給湯機です。こちらが設置されている世帯では、タンクに貯められている水を生活用水として備蓄することができます。

一般的に使われているタイプのエコキュートであれば、タンクには370Lの水が貯まっています。多くの生活用水を意識しなくても確保できることは、とても心強いことだといえるでしょう。

3.車中に水を備蓄する
自宅だけではなく、車の中に水を備蓄しておくことも重要です。災害は自宅にいるときに発生するとは限りません。

移動中や勤務先に被災することも考えられるでしょう。車の中に水を備蓄するときの注意点としては「災害備蓄水」などの変質の心配が少ないものを選ぶことです。

車内は温度変化が激しく、夏はとても高温になります。市販されているペットボトルの水の場合は温度変化によって変質・変性するおそれもあるでしょう。

「災害備蓄水」であれば、高温殺菌・充填されているため、保存状況を問わずに長い期間品質を維持できます。自宅から離れているときにも災害に備えられるように、車内へ水を備蓄しておくことが重要です。

●防災グッズとして利用する水でチェックすべき10のポイント
防災グッズとして利用する水でチェックすべきポイントには、以下の10点が挙げられます。

ポイント1.最低3日分の水を確保できているか
ポイント2.すぐに持ち出せるよう保管しているか
ポイント3.賞味期限・消費期限は切れていないか
ポイント4.家族構成に合う備蓄になっているか
ポイント5.近隣の給水拠点を把握しているか
ポイント6.ペット用の飲料水を準備しているか
ポイント7.保管場所を分散できいるか
ポイント8.ニオイが強いものが近くにないか
ポイント9.直射日光を避けているか
ポイント10.リュックの上部に詰めているか

「水」と一言で表しても、意識しておきたいポイントはたくさんあります。ここではそれぞれに分けて防災グッズとして利用する水でチェックすべきポイントを解説しますので、詳しく見ていきましょう。

ポイント1.最低3日分の水を確保できているか
災害備蓄をする場合、3日分以上の水や食料を準備しておくことが重要です。災害発生直後は、道路や水道などのインフラが復旧するまでに時間を必要とする場合があります。

そのため、インフラが復旧して支援物資が手元に届くまで時間がかかると想定し、最低でも3日(可能であれば1週間分)の水と食料を備蓄しておきましょう。特に、大規模災害が発生した場合は、食料品や生活物資が店頭からなくなる・物流機能がストップしてしまうことなどが想定されます。

また、電気・ガス・水道についても長期間使用できないおそれが高いといえます。避難生活を送るうえで十分な水と食料を確保することは、生きるために欠かせないばかりでなく、ストレスを軽減することにも役立つでしょう。そのため、家族の人数分×3日分以上の備蓄を常日頃から心がけるようにしてみてください。

ポイント2.すぐに持ち出せるよう保管しているか
災害発生時にすぐに持ち出せる状態で保管しておくことも大切です。基本的に自宅が被災し、生活できない状態・危険だと判断されるときは安全な場所へ避難し、生活を送ることになります。

そのため、被災時に持ち出すべきものを普段から防災袋やリュックに詰めておき、いつでも持ち出せるようにしておきましょう。首相官邸が公表している「備え」チェックリストを参考に、防災グッズを備えておくようにしてみてください。

ポイント3.賞味期限・消費期限は切れていないか
一般的に災害用非常食は、長期間保存できます。賞味期限の例を挙げると、アルファ化米や乾パンなどは3~5年となっている場合が多いようです。

もちろん、賞味期限が切れてしまったとしても、すぐに食べられなくなるわけではありません。しかし、食味や品質は低下してしまうでしょう。先にご紹介したように備蓄食料においても、定期的に点検してローリングストックできるように管理するように心がけてください。

ポイント4.家族構成に合う備蓄になっているか
防災備蓄は家族全員が3~7日間凌げる量を確保しなければなりません。そのため、水や食料は1人の目安×人数分を準備しましょう。

しかし、計算して多くの水や食料をそろえておくのは大変手間がかかる作業です。そんな手間を軽減してくれるものには「東京備蓄ナビ」が挙げられます。

簡単な質問に回答するだけで、必要な備蓄品目や数量をリストアップしてくれます。また、ショッピングサイトとリンクしており、備蓄品を購入することも可能です。

東京都以外に住んでいる場合も、必要な備蓄量をすぐに確認・ECサイトで購入できるため、チェックしてみてはいかがでしょうか。

参考:「東京備蓄ナビ」|東京都防災ホームページ https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kyojyo/1001855/1013810.html

ポイント5.近隣の給水拠点を把握しているか
水が身近にある私たちにとって、給水拠点を普段意識することはあまりないかもしれません。しかし、災害時には水道が使えないことも考えられるでしょう。

給水拠点は、住んでいる地域の水道を管轄している水道局のWebサイトで確認できます。また、定期的に配布される自治体のハザードマップにも給水拠点の記載があるため、危険箇所と併せて確認しておきましょう。

さらに、日常的にアウトドア用のウォーターキャリーやタンクを準備しておくと、給水が必要なときに慌てることがありません。

ポイント6.ペット用の飲料水を準備しているか
ペットを飼っている人は、人間用と別に飲み水を準備しておく必要があります。普段、ペットには水道水を与えている人がほとんどでしょう。しかし、被災時には水道が使えないおそれも想定できます。

そのときには、人間と同じミネラルウォーターを与えればよいと考えてしまいがちですが、注意が必要です。ミネラルウォーターには、カルシウムなどの成分が豊富に含まれているため、ペットの飲み水としてはあまりおすすめできません。

ペット用の飲料水として適したミネラルの含有量が少ないものや、ペット用の備蓄水が市販されているため、別途準備しておきましょう。1日に必要な水の量の目安は以下の通りです。

・犬:体重1kgあたり100ml
・猫:体重1kgあたり50ml

定期的にペットの体重を測定しておき、必要となる水を人間とは別に確保してみてください。

ポイント7.保管場所を分散できいるか
保管場所を分散しておくことも重要です。分散保管の考え方には、以下のようなものが挙げられます。

・個人分の保管:個別に持ち出せるように備える
・1日目に必要なものの保管:家族全員分が1日目をスムーズに過ごせるものをまとめておく
・倉庫保管:2日目以降に必要となる水や食料をガレージや倉庫に保管しておく

分散保管しておくことによって、一人ひとりがすぐに持ち出せるようになり、効率的な避難につながります。

また、ペットボトルの水を保管する場合にもこの考え方が役立ちます。1箇所にかさばるペットボトルのケースを保管しておくのは邪魔になるものです。たとえば、以下のように保管場所を分散させておくとよいでしょう。

・リビング:2ケース
・キッチン:2ケース
・寝室:1ケース
・子ども部屋:1ケース
・ガレージ:2ケース

万が一、いずれかの部屋や場所に入れない状態となっても水を確保できますし、日常生活を過ごすうえでも邪魔になることがありません。

ポイント8.ニオイが強いものが近くにないか
ペットボトルは少量の空気を透過する性質があり、ニオイが強いものが近くにあるとその香りが移ってしまうおそれがあります。

飲めなくなるわけではありませんが、ストレス負荷が高い避難生活では少しでもイライラする原因を取り除いておくことが重要です。ニオイが強いものの例を挙げると、以下のようなものがあります。

・洗濯洗剤
・芳香剤
・工業用オイル
・香水 など

これらのニオイが強いものとは保管場所を分けて水を備蓄するようにしましょう。

ポイント9.直射日光を避けているか
水を備蓄する場合、直射日光を避けられる場所を選ぶことも重要です。天然水のペットボトルへ直射日光が当たり続けると、温度変化などの影響によってミネラル分が結晶化したり、ほかの成分に変質が見られる場合があります。

ミネラル分が結晶化しても、品質には問題ありません。しかし、水質が変化してしまい、口当たりや味が損なわれるおそれがあります。

また、保管時のリスクとして「収れん火災」の原因となるおそれも考えられるでしょう。収れん火災とは、ペットボトルが太陽光を一点に集めて、引火することで起こる火災です。

水質の変化や火災のリスクを下げるために、備蓄水を保存する場所は直射日光の当たらない冷暗所を選ぶようにしましょう。

ポイント10.リュックの上部に詰めているか
防災袋やリュックに備蓄品を詰めておきますが、入れ方に工夫が必要です。基本的なルールとして、重いものが上になるように入れると持ち出すときに軽く感じます。

たとえば、タオルや衣服などの軽いものを先に詰め込み、上部にペットボトルの水を配置してみましょう。しかし、水の保管位置を高くしすぎると、バランスを崩しやすくなるため、最上部に入れないように意識することがポイントです。

また、リュックに備蓄品を詰め込むときには、食料品や生活用品などを種類ごとにポーチやジッパーバックでまとめておくと必要なときに取り出しやすくなるでしょう。

●まとめ
防災グッズで一番大切な「水」の備蓄方法について解説しました。水は人間が生きるうえで欠かせない重要なものです。この記事を読んだことを機会に、自分の防災対策や備蓄法を振り返ってみてはいかがでしょうか。

基本的には、飲み水を3~7日分をペットボトルやウォーターサーバーで確保し、生活用水をお風呂などを活用して貯水することを意識してみてください。

また、水と併せて食料品や日用品を確保することを忘れないようにしましょう。さらに、便利な水の備蓄として注目を集めているのが、空気から水を生成するウォーターサーバーです。

電気さえあればいつでも安心して飲める水を確保でき、インスタント食品やミルクを作るときに欠かせないお湯も使えます。日常生活から被災時まで安心感を与えてくれるウォーターサーバー「AIRLITH(エアリス)」が気になる方は、こちらもチェックしてみてください。

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